~身長増加に関係があるがある事は?~
肥満児は、小学生のうちは身長も高いですが、中学になると伸び悩みます。ここでは、肥満を防いで身長を伸ばす方法、アレルギー性疾患がある場合はどうするか?夜尿(おねしょ)は身長増加に関係があるかなどをまとめています。
~身長が伸びない?影響のある病気とは?~
【アトピー性皮膚炎】
アトピー性皮膚炎によるかゆみが強いと、身長増加が遅れることがあります。
かゆみのために、睡眠時間が妨げられ、成長ホルモンの分泌が低下したり、昼間に眠気が起こり食欲が減少したりします。
アトピー性皮膚炎の治療は、皮膚を清潔に保つこと、身の回りの環境でダニやハウスダストを減らすことが重要です。
そして、かゆみが無くならない事があり、風呂上がりなどにローションやクリームなどを塗るのが効果的です。
飲み薬で試すのは、お医者さんと相談するのが良いです。
塗り薬ではステロイド剤が有効とされていますが、塗りすぎると逆に皮膚を痛めてしまうので、注意が必要です。
上手にお医者さんと相談しながら使用しましょう。
【扁桃肥大、アデノイド増殖症】
扁桃肥大やアデノイド増殖症があると、食べ物がのどに通りづらかったり、鼻づまりで寝苦しくなったりと、身長増加に影響が出てきます。
このような場合は耳鼻科の先生に相談し、扁桃切除やアデノイド切除などといった手術を行うと症状が改善し身長増加が期待できます。
他にもアレルギー性鼻炎や中耳炎も寝不足をまねいたり、食欲低下の原因を引き起こしたりします。
【気管支喘息】
気管支喘息の子供の中には喘息が原因で身長が低いのでは?と考えている人もいるかもしれません。
考えられる原因は、気管支喘息がひどく、食事が十分に摂れなかったり、寝不足が続くなどといった感じでしょう。
ステロイド吸入はしっかりお医者さんと相談し、気をつけて治療を行いましょう。
【便秘】
子供の便秘も増加傾向にあります。
便秘の改善方法は、定期的な排便です。
毎日、同じ時間にトイレに座る習慣をつけます。
初めのうちはなかなか難しいですが、習慣づくと、腸のリズムが良くなり、排便がみられるようになります。
便秘は食欲低下をまねくので、規則正しい生活を心がけましょう。
【肥満】
肥満と身長の関係は複雑です。
①肥満による低身長
肥満児の場合、栄養状態が非常に良好なので、年齢の小さいうちは、比較的身長は高い子供が多いのですが、次第に身長の伸びが悪くなってきます。
②成長ホルモン不足による肥満
身長が伸びず、脂肪がつきやすくなる傾向があります。
成長ホルモンには、体に脂肪を沈着しにくくする作用があります。
このような場合は、成長ホルモンの投与で身長の増加が改善するだけでなく、肥満も改善していきます。
甲状腺ホルモンが不足している時も、肥満になることがあります。
この場合も甲状腺ホルモンの投与で改善することがあります。
【夜尿】
夜尿があると身長が伸び悩むことがあります。
どういう夜尿の種類なのか調べてみましょう。
①多尿型夜尿症
尿量が多いためにおこる夜尿です。
昼間の尿量が正常でも、夜間睡眠時尿量が体重1kgあたり5ml以上の場合も多尿型夜尿症と分類されます。
夜間睡眠時尿量=夜尿の量(夜中の尿量)+朝一番の尿量です。
②膀胱型夜尿症
機能的膀胱容量(尿を我慢して最大尿量を膀胱に貯めた時の尿量)が1kgあたり7ml以下の場合です。
③未熟型夜尿症
排尿機能が未熟なための夜尿です。
夜間睡眠時尿量は多くなく、機能的膀胱容量も小さくないのに夜尿が続く場合は、排尿機能が未熟なための夜尿の可能性があります。
【ワクチンで防ぐことができる病気】
ワクチンで防げる病気は、ワクチン接種で防ぎましょう。
1歳までに3種混合ワクチンは済ませます。3種混合ワクチンには、百日咳ワクチンが含まれています。
乳児期に百日咳にかかってしまうと、100日咳が止まらず、体重が減ったり、身長の伸びが悪くなったりすることがあります。
それ以外に1歳までに済ませておくワクチンは、ポリオやBCGなどがあります。
1歳を過ぎたら、早めに麻疹(はしか)ワクチンを受けましょう。
麻疹にかかると、1週間も熱が続き、熱が引いた後もなかなか元気が戻らず、発育にも大きな影響がでてきます。
おたふくかぜにかかってしまうと、発熱とともに強い耳下腺の痛みがあり、食欲も低下、身長の増加にも影響が出ます。
~食物アレルギーの対応は?~
現在、食物アレルギーの子供が増加しています。特に、牛乳アレルギーがある場合は、身長を伸ばすための工夫が必要です。
【除去食は素人ではやめましょう。】
アトピー性皮膚炎=食物アレルギーと単純に考えてしまい、食物が原因ではないのに、除去食を行っている人もいるようです。
アトピー性皮膚炎の一部には、食物が原因になっているものがありますが、すべてではありません。
子供の成長に必要な食品を簡単に除去してはダメです。
【第一に食物アレルギーがあるかどうか?】
食物アレルギーが心配な場合は、必ず医者の判断を受けましょう。
本当にアレルギーを起こしているのかはっきりさせることが重要です。
【除去は簡単、その代わりが難しい。】
除去する必要があると判断された場合は、代わりに何がよいのかが重要になります。
【牛乳アレルギーについて】
牛乳は良質なたんぱく質とカルシウムが含まれています。
たんぱく質は肉や魚、豆類などで補いましょう。
カルシウムは小魚に含まれますが、食べにくいなどもあるので、小松菜も食べましょう。
子供の好むお好み焼きに、小松菜のみじん切りを入れたり、カレーライスに混ぜたりするのもいいでしょう。
大豆製品やゴマにもカルシウムは豊富に含まれています。