~自律起床とは?~
身長が伸びる為の必要最小限の睡眠時間は子供によって差があります。幼稚園児は10時間以上で、朝起こさなくても自分で起きるのが理想ですかね。この事を自律起床といいます。
~子供は何時間寝たら良いのか?~
「子供は何時間寝たらいいの?」という質問はよくあります。
思春期前の小学生は、10時間前後の睡眠が必要です。この頃の身長は成長ホルモンの分泌に比例して増加するので、良く寝て十分に成長ホルモンが分泌されるようにしましょう。思春期になると、成長ホルモンだけではなく性ホルモンも身長を増加させてくれるので、少し睡眠不足だとしても結構身長は増加します。
思春期は生涯のうちで一番多く成長ホルモンが分泌されるので、極端な睡眠不足は身長増加の邪魔をします。この頃、急激に身長が増加しようとします。そして、この思春期に心も身体もかなり変化するので十分にからだを休息させることは大事です。9時間半は睡眠時間をとりたいところです。思春期も終わる頃、女の子であれば初潮、男の子であれば声変わり、この時期は8時間程度の睡眠で十分でしょう。
~理想的な睡眠時間は?~
【幼稚園児】
10時間以上→自律起床(朝起こさなくても起きてくるのが理想)
【小学校低学年】
9~10時間(しっかり睡眠!)
【小学校高学年】
9時間半(この時期に結構背が伸びる)
【中学生】
8時間半(女子はもう体が出来ているので少し短くてもいい)
【高校生】
7~8時間(すっきりした感じならもう少し短くてもいい)
~成長ホルモンの分泌は夜食を食べると悪くなる~
近頃夜更かしの子供が増えて、夜食を食べるのが習慣になっているようです。
成長ホルモンの分泌は睡眠中に増加しますが、寝る前に食事をすると、睡眠時の成長ホルモンの分泌が減少し、身長の増加に悪い影響を与える可能性があります。成長ホルモンがしっかりと分泌される為には、血糖値がある程度下がる必要があります。血糖値とは、血液中の糖分濃度の事です。
もし夜食で甘いものを食べると血糖値が上がり、成長ホルモンの分泌が悪くなります。食事は就寝前の2時間には終わらせ、もしお腹が減って寝れない時は、糖分よりもたんぱく質の多い夜食にしましょう。例としては、チーズ、卵、牛乳、豆類などがいいでしょう。
~受験生は寝る時間を決めましょう!~
成長ホルモンは特に睡眠時の深い睡眠の際に多く分泌されるので、子供が熟睡できるように工夫してみましょう。そして夜遅くまでだらだら起きていても勉強の効率は上がりませんので、受験生は短くても質の良い睡眠をとるようにしましょう。
例として、夜の12時に寝るならば勉強は11時30分までにし、後30分は自分の好きな本(漫画など)を呼んでリラックスしましょう。そして漫画は勉強途中には見ないようにし、大切な生活のリズムをつくっていきましょう。
【豆知識(^^♪】
就寝前まで、たくさん頭を使う事はよくありません。まず苦手な科目から勉強を始めて、得意科目で1日の勉強を終わらせる事がいいでしょう。
~朝は明るく☆夜は暗く★~
ホルモンの分泌には日内変動があり、成長ホルモンは夜多く分泌される夜型のホルモンなんです。
性ホルモンや抗利尿ホルモン(夜間の尿量を減少させる)も夜型のホルモンですが、もう1つ大事なホルモンにメラトニンがあります。
メラトニンは自然な眠気を誘う脳内の物質で、光の刺激で減少します。朝はしっかり光を浴びてメラトニンを減少させると自然な目覚めが得られ、夜は自然な眠気を誘うために、照明を暗めにしてメラトニンの分泌を促進させるといいでしょう。
~成長ホルモンの分泌を助ける抗利尿ホルモン!~
成長ホルモンと同じように、夜になると分泌される夜型のホルモンに抗利尿ホルモンというものがあります。抗利尿ホルモンは、体の中の水分を調節するホルモンで、尿の量を減少させ、体内にに水分を保つ働きがあります。
日中8時間以上トイレに行かないという人はあまりいませんが、夜の睡眠中は8時間以上排尿しません。これは、夜中の睡眠中に抗利尿ホルモンが分泌されるからです。抗利尿ホルモンは、成長ホルモンの分泌を促進させる働きがあります。そして、抗利尿ホルモンの作用で、夜中の寝ている間に尿意をもよおすことなく熟睡できるので、成長ホルモンの分泌を間接的にも助けてくれます。
夜中の睡眠時は、十分な抗利尿ホルモンを分泌させることが必要不可欠です。この抗利尿ホルモンの分泌はどうすればもっと分泌できるのでしょうか?
抗利尿ホルモンは、体内に水分が十分あるとあまり分泌されません。夜になって水分を摂り過ぎると、分泌が悪くなるのです。
また、朝は十分に水分を摂りましょう。日中は湿った感じで、夜間は乾いたといったリズムが大事で、このリズムが抗利尿ホルモンの分泌を促進させる事につながります。